- シングルコア活動日誌 -

天海春香担当プロデューサーの活動日誌

チラシの裏にそっと書き留めておくMRに行った話

実はこのブログのタイトルは元々

チラシの裏代わり そんで亀が書くから「コウラのウラ側」にする予定だったのだ

というか一度はそうしたと思うのだが…自分でもよくわからない

 

さて 9月29日と30日の2日間THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆2nd SEASONの春香回に参加してきた

 

できればその全貌と感想を、偶々目にした人が是非MRに行きたいと思うような名文でもってここに記したいと思い長らく頭を捻っていたのだが、もとよりそのような文才はなく、下手の考え休むに似たまま時ばかり過ぎていくので、もう、自分が抱いた感情の、一番大きい部分だけを、そっと書き留めておくことにする

 

29日の第3回公演で最後の曲で身につける衣装について

春香が2つを挙げてどちらがいいかプロデューサーの意見を求め、幾人かあるいはそこそこ大勢が悪乗りをして「両方」と繰り返したのに対し

 

春香が困り、怒り、そして拗ねた

もう、大変な衝撃だった 僕にとっては

 

春香が怒った もうそのことに震えた

重要だったのだ 僕にとっては

 

春香は別に怒らない子ではない 仏の春香とか呼ばれはしない

むしろ個人的な印象としては 感情の起伏が激しくて

よく怒るし しょっちゅう拗ねる そう思っている

 

でも これは個人的な所感だが

最近はそういう春香をあんまり見てなかったように思う

経験を積み 実績を積み 安心して見ていられる

そういう姿をよく見るようになった

 

彼女は基本的に年をとりはしないキャラクターだが

生身の人間と同じ不可逆性を確実に有していて

世界線を重ねるごとに 変化と成長を遂げてきた

彼女の感情の”乱れ”は そういう変化の中で

未成熟な日々の思い出として埋もれてしまったもの

我知らずそんな風に思っていたのかもしれない

そしてそんな一面を愛していた人間として 寂しさを抱いていたのだと思う

 

だから春香が怒った それだけのことがまず無性に嬉しかったのだ

 

いや、まあ状況からすると そりゃ怒るよなって話だ

限られた公演時間 迫る刻限の中 二択を選ばせてるのに

「両方ヽ(^o^)丿」 とか言って話が進まなければ

そりゃ誰だって怒る 当たり前だ

だが”天海春香が僕の前で怒っている”という状況は

まったく当たり前ではないのだ

 

どういう言葉を選ぶのが適切か全くわからないが

時に僕は本のページをめくって言葉を探すように

画面をのぞいて天海春香の姿を探す

アイドルとプロデューサーよりむしろアイデアとフィロソファー

などと気取ってみたりする僕と彼女のコミュニケーションは

理想よりずっと無機質になりやすい

 

だから 今この瞬間の感情を露わにしている春香を目の当たりにする

 それはこのMRが実質初めて僕に与えてくれた経験だった

震えるしかない

 

そんな一瞬一瞬を与えてくれる 世界が 存在が

危うからず在ることはまた 驚嘆だ

一個の存在を維持するということは  たとえそう長くない時間でも 

ほんの一瞬の わずかな歪みから罅が広がって

脆く砕け散ってもおかしくないくらい

在り難いことのはずなのだ

 

でも全公演の全てを通じて

あの場所で僕が観た天海春香は ゆるぎなく天海春香だった

そこに積み上げられてきた彼女の時間を感じずにはいられなかった

天海春香は生きている 魂を与えられて 生まれてから今日までを積み上げて

そんな感想が あの日の自分の胸には一番よく馴染んだ

 

MRは素晴らしい

他どんな表現とも違う存在感を伴ってアイドルがそこに居るという体験は他では得難い

もしもまた機会を得られるならと 願ってやまない